数十年後の懺悔。

実家には父の大切にしている思想家の全集があります。
それは私が小学生の頃に父が買ったものです。

重厚な装丁、カバーがかけられ一冊づつ頑丈な箱におさめられている。
そのための本棚も買った。
本好きな父は貧しかった若いころの夢を叶えたのかも知れません。

私はその全集の一部に秘密を隠しています。

もう何年も前の今頃の季節。
育てていた朝顔が咲き始めました。
みごとに花をつけてもすぐにしぼんでしまうのが残念なところです。

子供心にもそう思いました。
そして、ひらめきました。

押し花。

今思えばなんという大胆さ。

それがプラトンの巻なのか、アダムスミスなのか、
それともサルトルだったのか、マルクスだったのか、
漢字なところで毛沢東だったような気もします。

数日後の驚き。
かしこい私は幼いながらも、このことは墓場まで持って行こうと
かたく決心したのでした。

父はなにも言わなかった。
もともとひどく叱りつけるようなひとではありませんでしたが
休日になると少しづつ読んでいたのでわからないはずはありません。

知っても言わなかった父に
心がチクッと痛んだのでした。

本を汚してごめんなさい。
あやまらなくてごめんなさい。
そういえば今日は父の日です。
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by r_dew_1 | 2005-06-19 08:13 | A4  

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