ポップコーンの作り方。

ポップコーンを作るには薄くて軽いなべがいいように思う。
もちろん、はじけると量が多くなるので深なべであることはいうにおよばない。
薄い。というのは熱の高低をすばやく調整するため。
厚いなべはこの場合愚鈍であるとしかいいようがない。
軽い。というのは途中はじけ組と未はじけ組みを煽りによって分別するため。
重いなべはこの場合肥満であるとしかいいようがない。

パラパラとなべ底に乾燥コーン(ポップコーンの素)を敷く。
このときなべとぶつかりあう乾いた音が好き。
武装した有機物の粒たちが唐突に無機物の懐に攻め込んでいくような快感をおぼえる。
だからといって入れ過ぎてはいけない。その膨らみ方は詐欺のようだ。
百円のスナック菓子の原価とはそういうものだ。味付きの空気にお金を支払っている。
適量。この曖昧模糊なことばは想像力が大切。できるひとは計算でもいい。
まぁやってみて。センスの発揮。

オイルをそそぐ。
ここは根性を試されるとき。なぜなら意外とその量は多い。
いわゆるジャンクフードであることを忘れてはいけない。
まだ今なら間に合う。コーン粒をもとの場所に戻して野菜スティックを齧るのもよいと思う。
コーン粒が浸かる程度のオイルをそそぐ。
ここでの躊躇は今後の行程に暗雲をもたらしかねない。

塩をふる。
あとでも調整できるから、ここは多すぎない程度にスルー。

ふたをして火にかける。
じわじわと熱していくオイルの海でコーンはじりじりとせめられていく。
あくまでオイルは中火でじわじわ。
強火はたちどころに憤死させてしまうし、トロ火はいい湯だなと歌わせてしまう。
オイルがある点をとらえたところで一斉にコーン粒はポップコーンへと急変貌する。
あぁ、それはもう大騒ぎのドンチャン騒ぎの将棋倒し。

楽しそう。なんて貴方はのぞいてはいけない。
決してのぞいてはいけない。
そのかわりこの大騒ぎを煽ることに外側から終始する。

コーン粒にもどうやら個性があるらしく、乗りのいいやつはすぐはじける。
そういうやつはすぐ酔いつぶれたり、眠り込んだりするので焦げやすく、
乗れずに閉ざした堅物や天の邪鬼なんかを待てない。
乗れないやつは得てして火元から遠のいてたりするから
そこで鍋をゆすって席順を交換したりしてやる。
弾け済焦げそうなのと未弾け温度が足りないのとの比率の変化は音と重さで判断する。
火加減との勝負どころ。

香りというのも大切で、いわゆるポップコーンの香りがしているうちが花。
家で作ると香りも楽しめていい。
でもほんのり焦げ臭さが漂ったら、かなり焦げは進んでいると思う。
この間あっという間。優しい香ばしさに酔っていてはいけないということ。

弾ける音がしなくなったら出来上がり。
すぐさまふたを開けると、滑り込みセーフ弾けやとぼけた弾けにあうことも。
そして熱いうちにお好みの塩味に調整。
ボウルに移すと...いるんだよね乗れなかったやつ。

この時点では、「咲けなかったもの」というほうが似合ってる。
そしていつもそのなかから探すんだ。自分を。
ポリッ。
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by r_dew_1 | 2006-02-11 19:10 | A4  

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