いつまでも食べたい魚。

漁獲量制限でマグロはいよいよ高価なものになりそうです。
そういえば去年くらいまではあんなに安かった輸入サーモンもだんだん高くなってきました。寿司ネタとして重宝されてきたせいでしょうか。我が家の食卓は魚8:肉2くらいの魚食家庭なので、魚が高くなるのは困ります。
私が幼ない頃、川の汚染で鮭が穫れなくなった時期がありました。高価になってしまった鮭に「鮭なんて昔はネコマタギっていったんだぞ。」と父がいっていました。猫もまたいで通り過ぎる。ってことだそうです。その後、カムバックサーモンキャンペーンがはじまったことを記憶しています。そうそう、それから何年かを経て水質が改善され美しくなった日本の川に鮭たちは戻ってきました。
ローカルですが、ハタハタという魚があります。鍋ものにも使うし、ひと塩の一夜干しにするととてもおいしい冬の魚で、地元の食卓にはかかせません。それが十年くらい前、すっかり穫れなくなってしまいました。そこで地元の漁協が決断したのは、禁漁という選択でした。それを生業としている人たちには死活問題だったと思います。
「...ハタハタ禁漁の話をすれば 、地元でさえ皆に反対されたもんだった。だども、今の自分らが我慢すれば息子や孫達にハタハタを残してやることができるべな。その一心で決断し説得を決意した 。わいは、禁漁期間中は一口もハタハタを口にしねがった 。
仲間の漁師が出稼ぎで家族と別れるところをテレビで見たども、あの時は『仲間につらい思いをさせてすまねえな』 としきりに涙が出てきたっけな 。それから、 解禁前の夜は緊張して眠れねがったものな。 もし獲れなかったら死んでお詫びをしねばならねと、枕元にロープを置いた。 だども、その日息子からの大漁の知らせ聞いて、ほんとおもせがった。自主禁漁を破った秋田の漁師は一人もいねがった。 秋田の漁師ってのはすげもんだ。おらは誇りに思ったな」( 当時 秋田県漁業組合長であった佐藤氏のインタビューより)
ときに忍耐の選択って、大切なことと思います。
もっともっと昔にはニシン御殿のはなしなんかもありますね。いまでは数の子なんかほぼ輸入なんだと思います。っていうか、もうニシンという食材は日本人にとってそう重要ではなくなってしまったのでしょう。あ、魚ではないけれどクジラなんかもそうですね、いまはすこし手に入るようになりました。調査捕鯨として許されたものらしいです。もしかしたら体の素の細胞だって個々の食文化が影響しているのかもしれません。
今後、マグロの行く末が気になります。漁獲制限や人件費の高さで船を手放してしまう人もいるそうです。日本のマグロ漁船はそれに特化した高性能なので中国の人が高い値で買っていくのだそうです。いまとなってはツナではなく、世界のマグロらしいのですが、見事な大トロをポイポイと鍋に放り込み、辛そうなタレに浸す姿をみると、漁獲制限という忍耐で解決できる問題ではないんじゃないかと思ったりします。マグロの美味しさは世界中に知れてしまいました。で、マグロの養殖が早く軌道に乗るといいです。ノルウェーサーモンみたいに脂の乗りも、身の色もお好みで承ります。みたいに世界に打って出れる日もくるのではないかと思います。そうすれば天然ものを乱獲から守れるかもしれないし。世界的に食料が危うくなっている昨今、謙虚な気持ちで自然の恵みを分け合い、知恵と責任を持って安全な食料がみんなにいきわたることを願うばかりです。チョウザメ(キャビア)みたいな運命をたどらないように。

a0037253_023375.jpg

[PR]

by r_dew_1 | 2006-12-30 23:27 | A4  

<< 守らなくちゃいけないもの。 沖縄。 >>