琥珀。

真夏日が続いてもう104日めになる。
太陽の形容詞はギラギラ。サンサンなんてとっくに古語になっている。

100%の在宅勤務で経済だけが動いている。
犯罪でさえ血なまぐささをかんじない。

いいかげんこんな閉塞感から抜け出したい。
外へ出たいなぁ。
少しだけ遮光ブラインド越しに止まった景色をながめる。

珍しい人影をみてデジャブなのかと目をこすると、確かに人が歩いていた。
おばあさんだった。
よろよろと樹の下に腰をおろす。
枯れかかった樹はそう大きな木陰をもう持ってはいない。

セミすら鳴かない戒厳令の真昼に彼女はゆっくり目を閉じた。
すると寄りかかった樹肌からドロリとした樹脂が流れ出し、彼女をあっという間に飲み込んでしまった。

灼熱の世界に人類が適応する頃、
子孫の胸元にはヒト入りのペンダントが光っているのかもしれない。
[PR]

by r_dew_1 | 2007-10-13 02:03 | A4  

<< ブラウン夫妻。 だるまさんがころんだ。 >>