カテゴリ:A4( 97 )

 

いつまでも食べたい魚。

漁獲量制限でマグロはいよいよ高価なものになりそうです。
そういえば去年くらいまではあんなに安かった輸入サーモンもだんだん高くなってきました。寿司ネタとして重宝されてきたせいでしょうか。我が家の食卓は魚8:肉2くらいの魚食家庭なので、魚が高くなるのは困ります。
私が幼ない頃、川の汚染で鮭が穫れなくなった時期がありました。高価になってしまった鮭に「鮭なんて昔はネコマタギっていったんだぞ。」と父がいっていました。猫もまたいで通り過ぎる。ってことだそうです。その後、カムバックサーモンキャンペーンがはじまったことを記憶しています。そうそう、それから何年かを経て水質が改善され美しくなった日本の川に鮭たちは戻ってきました。
ローカルですが、ハタハタという魚があります。鍋ものにも使うし、ひと塩の一夜干しにするととてもおいしい冬の魚で、地元の食卓にはかかせません。それが十年くらい前、すっかり穫れなくなってしまいました。そこで地元の漁協が決断したのは、禁漁という選択でした。それを生業としている人たちには死活問題だったと思います。
「...ハタハタ禁漁の話をすれば 、地元でさえ皆に反対されたもんだった。だども、今の自分らが我慢すれば息子や孫達にハタハタを残してやることができるべな。その一心で決断し説得を決意した 。わいは、禁漁期間中は一口もハタハタを口にしねがった 。
仲間の漁師が出稼ぎで家族と別れるところをテレビで見たども、あの時は『仲間につらい思いをさせてすまねえな』 としきりに涙が出てきたっけな 。それから、 解禁前の夜は緊張して眠れねがったものな。 もし獲れなかったら死んでお詫びをしねばならねと、枕元にロープを置いた。 だども、その日息子からの大漁の知らせ聞いて、ほんとおもせがった。自主禁漁を破った秋田の漁師は一人もいねがった。 秋田の漁師ってのはすげもんだ。おらは誇りに思ったな」( 当時 秋田県漁業組合長であった佐藤氏のインタビューより)
ときに忍耐の選択って、大切なことと思います。
もっともっと昔にはニシン御殿のはなしなんかもありますね。いまでは数の子なんかほぼ輸入なんだと思います。っていうか、もうニシンという食材は日本人にとってそう重要ではなくなってしまったのでしょう。あ、魚ではないけれどクジラなんかもそうですね、いまはすこし手に入るようになりました。調査捕鯨として許されたものらしいです。もしかしたら体の素の細胞だって個々の食文化が影響しているのかもしれません。
今後、マグロの行く末が気になります。漁獲制限や人件費の高さで船を手放してしまう人もいるそうです。日本のマグロ漁船はそれに特化した高性能なので中国の人が高い値で買っていくのだそうです。いまとなってはツナではなく、世界のマグロらしいのですが、見事な大トロをポイポイと鍋に放り込み、辛そうなタレに浸す姿をみると、漁獲制限という忍耐で解決できる問題ではないんじゃないかと思ったりします。マグロの美味しさは世界中に知れてしまいました。で、マグロの養殖が早く軌道に乗るといいです。ノルウェーサーモンみたいに脂の乗りも、身の色もお好みで承ります。みたいに世界に打って出れる日もくるのではないかと思います。そうすれば天然ものを乱獲から守れるかもしれないし。世界的に食料が危うくなっている昨今、謙虚な気持ちで自然の恵みを分け合い、知恵と責任を持って安全な食料がみんなにいきわたることを願うばかりです。チョウザメ(キャビア)みたいな運命をたどらないように。

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by r_dew_1 | 2006-12-30 23:27 | A4  

沖縄。

「Tシャツ1枚だよぉ〜、ふっ、エアコン入れてるんだ。」
今朝ダウンジャケットの後ろ姿を見送ったばかりだというのに。夏好き、海好きの夫からの電話は妙に機嫌がいい。沖縄は暖かいのかぁ、いいなぁ。こちとら靴下二枚重ねよ。
「んじゃ、ローゼル見つけたらよろしくね。」
ローゼルって、ハイビスカスのガクです。お茶にしたり、ジャムにしたりします。フレッシュの収穫期は10、11月らしいけどあったら買ってきてね、と頼んでいます。物産店でこれを見かけてからというものはまってしまい、ジャムにして保存します。先月買い込んで作ったものは早くも在庫薄。そんなとこでの夫、沖縄出張なのでした。
実はわたくし、沖縄本島には行ったことがありません。でも石垣や竹富、西表には3度行ってます。そのころはまだちゅらさんも、Dr.コトーもいない時代で何気ないニガウリのおひたしだってカルチャーショックな代物だったのです。ゴーグルとシュノーケルを手に海ばかりをめぐっていたのだけれど、どこも本当ににきれいだった。陽が届く浅瀬にサンゴがあって、イソギンチャクがいて、クマノミが寄ってくる。あんなに無邪気でひとなっつこい海にはこれから先もう出会えないと思う。行けばまだあるかもしれない海だけど、あのころの極彩色の自分はあのころのままにしておきたい気もします。

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by r_dew_1 | 2006-12-15 12:49 | A4  

月の砂漠。

ドーハアジア大会が始まりました。
開会式はスゴかったです。オリンピックを越えた豪華な演出で最後まで観てしまいました。中東というと最近は戦争のイメージが強いですが、ひさしぶりにアラビアロマンというかんじが思い起こされました。そしてやっぱオイルは強いなと(笑)。アラビア人が描く日本にも笑った!大名姿に力士風大銀杏で少林寺っぽいダンス(バク転とか有)。あのドーハの悲劇ももう過去のことだと忘れてしまえる一幕でした。中国もなんだかサンバカーニバルみたいな花輪を背負ってたし。ロシアはコサックとバレエが混在してた。でもね、不思議と各国の文化に懸命に敬意を払ってる気持ちが伝わってきました。素晴らしいエンターテイメントでした。
で、唐突に月の砂漠なんかを想うのです。『月の沙漠』はとても好きな歌のひとつ。4番までの歌詞の世界観がほんとうにいいです。月と、砂漠と、ラクダと、金色と銀色と、王子様とお姫様と、白い上着と、音のない世界。でもこれは日本人の情緒的なイメージだそうです(御宿の砂浜発)。朧にけぶる月の夜のおはなしですが、アラビアの砂漠のそんな夜はすさまじい砂嵐だそうです。そして金や銀の鞍では王子も姫もお尻が大やけど。ラクダだって熱っちっち。
でもやっぱり月の砂漠はいいのです。だから力士風大銀杏のサムライでもいいのです。
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by r_dew_1 | 2006-12-03 07:55 | A4  

読書。

読書の秋。というけれど、わたくし的には読書は夏のほうが進みます。正確にいえばムラが多く、読まないときは全然読まないし、読み始めるとずーっと読んでます。ここ数年はほとんど本を買っていません、ほぼ図書館から借りてます。保管場所も困らず、本を捨てるという心苦しさもなく、タダだし、最近は新刊にもあまり興味がないので絵本から哲学書まで借りまくります。読まなくてもなにかしら借りてきてそこいらへんになにかしら数冊転がっているという読書環境です。
で、図書館病(仮称)をわずらっているよう。どういうことかというと、読みはじめの冒頭部がおもしろくないともう読まなくなってしまうのです。もう少し頑張ってみて臨界期を越えようなんて気がさらさらない。特に小説。そう、小説についての読書スタイルは肌合い重視なので、冒頭十数ページの感触で文体や描写がしっくり同化できないとまったくダメ。我慢・忍耐なんてしなくなってしまうのです。偉そうにも、却下というかんじ。そんなことを夫に話すと、彼はどんなにおもしろくなくても読もうと決めた本を手にしたら最後まで読んでみるといいます。そうすると違ってたりすること多いよと。ちなみに彼は購入派です。
つまり、自分で本を買わなくなってから読みたいものを選ぶ能力や臭覚が衰えてしまったようなのです。お金を出して読もうとおもったら、つまんないものは買いたくないし、損したくないと思う。だから一生懸命選ぶ。そしてせっかく買ったのだからと、とにかく最後まで読んでみる。読書って、そういうところからはじまっているのだなぁ、といまさら気づくのでした。それに活字に対して若い頃にように旺盛な渇望はもうなくなっているからどれでもとか、なんでもとか、いうふうではなくなってきた気がするし。数少ない趣味として原点にかえってみようと思う次第です。
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by r_dew_1 | 2006-11-16 21:41 | A4  

進化。

この時期、暖かい朝にはまだ迷う。
シャキッとそのままの水道水か、温水にするか。
シャキッとする理由もみつからなかったので温水で顔を洗う。

蛇口をひねると今日も正しく温度調整された心地よい温水が排水溝めざして流れ落ちる。
なのに手のひらでそれをすくって顔を洗うなんて、ちょっと原始的な気分だ。

両手のひらは何十年もの地道な訓練でピタリと合わさり器をつくる。
手の器には温水がまるく貯められて、まるい温水を顔のかたちに貼付ける。

でも今朝はまるい温水は出来なかった。
蛇口から流れる水は手のなかいっぱいに貯まる手応えもみせず、ずるずると漏れて排水溝へ落ちていく。
合わせた手を見ると穴が空いていた。
五百円玉くらいの穴が手のひらの真ん中に右手左手ひとつづつ。

「あれぇ〜?」
意表をついた出来事に固まって眺めていると、ずっと昔から空いていたような気もする。
珍しい手の穴を片目に近づけてのぞいてみたり、左右のひらを裏返したり重ねてみたり、ぶらぶらと振ってみたりしたけれど幻ではなさそうだった。

「おはよう。なにやってんの?」
妹がうしろから声をかける。
「これ、見て。」
手の穴をかざす。
「なにが?」
「なにって、この穴。」
「手穴でしょ。」
「て、手穴って?」
「お姉ちゃん朝からおかしいよ。どいて、どいて。」
洗面所に立った妹はゴム製のキャップのようなものを手慣れた動作で左右の手穴にはめると、いつものように水を受けて顔を洗った。

ダイニングへ向かうと、家族の朝はいつもと変わりない。
自然、それぞれの手に目がいく。やっぱりみんなが手穴を持っている。

「ねぇ、これって何?」
誰にともなく聞くと、訝しそうに私を見る。
あとから食卓についた妹が、
「お姉ちゃん、おかしいんだよ。」と、さらりと受け流した。

朝食を前にして、手穴に指を差し込んでみると、すぐさま母に
「子供じゃないんだから、手穴にそんなことするんじゃないの。」とたしなめられた。
私は気になる手穴をあきらめて、疑問が解決されないまま朝食をとった。

「いってきます。」
外に出て歩き出すと、案の定スースーと手のひらに風が吹き抜ける。
それじゃなくても気にかかって仕方ない手のひらにいっそう神経が集中してしまう。

道ゆく誰の手を見ても手穴はあった。
つり革につかまる手、新聞を読む手、ケータイする手。バッグを持つ手。
どんな手にも穴が空いていた。
そして不思議にもこれまでの穴のない手とは機能的にもそう変わりがないのだった。

もうどうでもいいような気持ちで会社の席に着く。
迫っていた締め切りを思い出した。気持ちを切り替えなくては。
「あれ?」
キーボードがない。

「どうしたんですか?」
向かいの後輩が声をかけてきた。
「キーボードがないんだけど。」
「キーボードってあの、楽器の?」
「えっ?」

後輩の手穴には何か丸いものがピタリと収まっていて、瞬時に悟った自分の勘が当たらなければいいと願っていた。
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by r_dew_1 | 2006-11-06 01:43 | A4  

秋味。

「上海経由できたんですけど、お買い物の途中お友達とはぐれちゃって...。ここって日本近海かしら?」
そのサーモンは見事な金刺繍のチャイナドレスをまとっていた。
「急いでますの。秋にはノルウェーの川に帰らなければなりませんの。でないと、このお腹のイクラちゃんが、父なし子になってしまう。」
「それは大変ですね。身重のあなたにこんなこと言いたくはありませんが、実はもう秋なのですよ。」
そういうとサーモンはハラハラと涙を流しはじめた。

魚の涙は珍しくない。
こうして日がな岩肌にへばりつき、行き交う潮流をながめているとさまざまな境遇の魚たちに出会う。
魚たちはみな急ぎ、泳ぎ続けているから、涙が粒にならないだけだ。

ときどきこんな風に潮流に迷った魚が声をかけてくる。
泳げなくなった老魚や、傷ついてまっすぐに進めなくなった魚、最近はもう魚などやめてしまいたいとわたしの頭上ばかりを回旋し続けているものもいる。

「上海はいかがでしたか?」
行き場を失ったサーモンにそう訪ねてみる。
「それはそれは活気があって、楽しくて。」
いまはもう後悔ではちきれそうなドレスのスリットをなびかせてそうサーモンは答える。

「なぜ上海に?」
「若かったのですね、異国の匂いを乗せてやたらと行き交うタンカーに憧れてしまいましたの。」
「ノルウェーは遠いのでしょう。」
「来るときはそう苦にはならなかったわ、でもいまはすっかり迷ってしまいました。このまま神様への責任も果たせずに死んでしまうなんて。」
「神様への責任?」
サーモンはお腹の辺りをゆるりとくねらせた。

その部分の鱗は透けてしまうように白く、角度によっては銀色に光っている。
神様は命には命を乗せる仕組みを決して忘れない。
どんな時代にも意味だけはひっそりと備えておく。

「もうすこし頑張れますか?ここをまっすぐに泳いでいくと、大きなコンブの森につきあたります。そこはとても険しいのですが、抜けると川につながるといいます。わたしが行きあう魚たちから聞いた話です。」

          ***

身重のサーモンは潮の流れとは真逆のコンブの森の方向に泳いでいく。それはとても遅々としていて哀れなほどだ。
脱ぎ捨てられ、さっきまで岩にからんでいた金刺繍のチャイナドレスがほどけてそれよりはやく潮に乗って流れていった。
潮流はただ銀の鱗のためだけに流れている。
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by r_dew_1 | 2006-11-02 15:19 | A4  

団栗作戦。

コナラの樹の下にはどんぐり坊主がいっぱい落ちていました。

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アスファルトに産み落とされてしまったものも数知れず。たとえ、土の上であっても整備公園にあっては前途は多難なものです。
ほんとうは、やわらかな土に落ちて、秋の雨に水をもらい、紅葉の掛け布団が落ちてきておくるみになり、おくるみが腐葉土となって栄養と育てをするものですが、過酷な都会生活においてそんな自然は訪れることはないのです。


で、「団栗作戦」。
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ポケットに出来るだけ詰め込んできました。
移動手段を持つものとして微力ながら、播種に一抹の望みを託します。
散歩の際、めぼしそうな場所場所(あるのか?)に播いてしまおう。という魂胆です。
ゲリラ的エコテロなのです。




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どんぐりのせいくらべ実証編
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by r_dew_1 | 2006-09-27 14:16 | A4  

何が釣れてるんだろ。

この心地よい陽気を逃すまいと、photo散歩へいってまいりました。
しょーもなく行き当たりばったり、テーマ性のカケラもないものなので、通常はmyオクラ入りですが載せてみまして、みました。


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釣り糸を垂らしているひとが結構いたので声をかけて撮らせてもらいました。


私        「何が釣れるんですか?」
おじさん 「ほれっ。」
私        「かわい〜っ。」

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私        「これ、何?」
おじさん 「ハゼだよ、ハゼ。」
私        「かわいい顔してるんだ〜。」

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おじさん 「持ってくか?江戸前だよ、江戸前。」
私        「おいしそうだけど、かわいいからいいよ。ありがとう。」



天ぷらで食べてみたかったけどおじさんの収穫は3匹だったし、横取りはできないよ。




女の子がおとうさんと。
ちっちゃい手でバケツの魚と遊んでいました。


私        「写真、撮っていい?」
女の子: 慌てて、魚をバケツに戻す。
私        「おててで持ってるとこ撮りたいなぁ、いい?」
女の子: すっと魚をすくって差し出す。

私も一生懸命撮る。

おとうさん 「○○ちゃん、パンツ丸見えだぁ。」
あちゃ、私もお魚に夢中で気づかなかった。


彼女の健気な誠意と名誉のため、セクシーショットはトリミング。
お魚とおててだけで...。

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サラサラ髪のかわいらしい女の子。
メガネの奥の瞳をのぞくと美人さん予備軍でハッとさせられました。
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by r_dew_1 | 2006-09-26 14:30 | A4  

天使犬?

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本日の空
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by r_dew_1 | 2006-09-23 23:16 | A4  

土星。

歩いていると、キンモクセイがかおります。
日ごとにそれは広く漂って、窓ごしからも甘いかおりがやってきます。
グズグズしている間にそんな季節になりました。

弟にさがしてもらって初めて土星をみた夜。
キンモクセイがかおっていました。

なんて、美しいのだろう。って、
あなたはこんなもの覗いてたの。って、
天文年鑑なんて生意気なものを抱えて..でも手の甲で鼻水拭いてて..。

あの頃から土星はきっと変わらないのだろう。
新しい輪っかが発見されたそう。
もしかしたらみえないだけで本当は100くらいあるのかもしれない。
そうしてもしかしたら、匂いだってあるのかもしれない。

その匂いが明らかになるまで、
土星はキンモクセイのかおりがする。と決めている私です。
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by r_dew_1 | 2006-09-22 08:46 | A4