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ブラウン夫妻。

ブラウンさんの家にES細胞が生まれた。

「かわいいねー。」
「うん、まだ物質ってかんじがかわいいよねー。」
「将来が楽しみ。」
「何になるんだろうね。」
「皮膚とか?」
「それはちょっと平凡だなぁ。」
「場所によるね、乳首の先なんてどう?」
「僕は乳首の先だけにはなって欲しくない!」
「ピンクでも?」
「ピンクでも、だ!」
「じゃぁ、腸の内粘膜とかは?出会いの多い人生じゃない?」
「まぁ、飽きない人生だよね。」
「教育ママに徹して脳なんかにしちゃおうかな。」
「脳内メーカーをみると脳もいろいろだぞ。」
「そうだ、爪にしてかわいらしい服たくさん着せるの。」
「命が短い。」
「筋肉なんかもいいよね。」
「現役が短い。」
「臓器関係?」
「お役所日の丸的。」
「で、名前は何にする?」

ブラウンさんの家にES細胞が生まれた。
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by r_dew_1 | 2007-10-13 02:04 | A4  

琥珀。

真夏日が続いてもう104日めになる。
太陽の形容詞はギラギラ。サンサンなんてとっくに古語になっている。

100%の在宅勤務で経済だけが動いている。
犯罪でさえ血なまぐささをかんじない。

いいかげんこんな閉塞感から抜け出したい。
外へ出たいなぁ。
少しだけ遮光ブラインド越しに止まった景色をながめる。

珍しい人影をみてデジャブなのかと目をこすると、確かに人が歩いていた。
おばあさんだった。
よろよろと樹の下に腰をおろす。
枯れかかった樹はそう大きな木陰をもう持ってはいない。

セミすら鳴かない戒厳令の真昼に彼女はゆっくり目を閉じた。
すると寄りかかった樹肌からドロリとした樹脂が流れ出し、彼女をあっという間に飲み込んでしまった。

灼熱の世界に人類が適応する頃、
子孫の胸元にはヒト入りのペンダントが光っているのかもしれない。
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by r_dew_1 | 2007-10-13 02:03 | A4  

だるまさんがころんだ。

「ダ・ル・マ・サ・ン・ガ・コ・ロ・ン・ダ。」
振り返るけど彼が動く瞬間を目撃することができない。

「ダ・ル・マ・サ...。」
たまにズルをしてみる。

「ダ・ル・マサンガコ・ロン・ダ・ルマ・サンガコロン。」
フェイントしてみる。

「.......。」
しばらくじっとみつめてみる。


彼は1㎜のスキも目撃されることなく、
決まった時間になると2倍の大きさに膨れ上がっていて私をせせら笑う。
「今日も僕の勝ちだね。」

私はいい気になっている彼を大理石の硬い板の上に引きずり出してポンポンと叩く。
大きく膨らむ態度のわりにはふにゃふにゃなヤツだ。

今日はいくつに分割してやろうか。
今日も殺生、4分割。
それにしてもカードってよく切れる。
「所詮私にはかなわないのだよ。」

痛々しい傷口を折り込んであげてしばし、休戦。
彼は丸まって眠る。

ごめんね。
おわびにイケメンにしてあげる。
整形だよ。いや成形。
そしてベーコンの彼女と結婚するといいよ。
バケットにもなるといいよ。

すっかり自信を取り戻した彼はまた少し膨らむ。
今度は1.5倍の慎ましさ。大人になったんだね。
オーブンに入ったら彼女と仲良くね。

私?
もう君には興味ないの。○○の頃の君が好きだったから。
また、『だるまさんがころんだ』しようね。



     *


最近こんなワールドのわたくしです。
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by r_dew_1 | 2007-10-07 23:46 | A4